職権登記・嘱託登記・申請による抹消登記

1.登記官による職権登記

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a.登記官による職権抹消

登記申請する場面 登記官による職権抹消される登記
起業者からの収用による所有権移転
の登記申請
裁決手続の開始の登記
①処分禁止の登記がされた後、
②仮処分債権者が「仮処分債務者を登記義務者とする所有権移転の登記」を申請する場合に、
③「処分禁止の登記に後れる登記の抹消」を
単独で申請した場合
ex:後れる 所有権,抵当権,賃借権は、
「仮処分による失効」を原因として申請で抹消する。
処分禁止の登記
ex:
『〇番仮処分登記抹消』
仮処分の目的達成により 年 月 日登記
・・・というように職権抹消される。

(平成25-19肢オ)
①地上権の設定の登記請求権を保全するため、
②処分禁止の仮処分の執行としての、
「処分禁止の登記」&「保全仮登記」がされた不動産
       ▼
「保全仮登記に基づく本登記」がされた場合

処分禁止の登記
ex:
『〇番仮処分登記抹消』
仮処分の目的達成により 年 月 日登記
・・・というように職権抹消される。

(平成27-18肢ア)
①所有権登記名義人をAの単有名義から、
②A・B共有名義とする更正登記された場合に
③当該土地に「Cを登記名義人とする地上権設定」登記がされている場合

Cを登記名義人とする地上権設定登記

地上権はA持分のみを目的として存続することは
できないので、登記官により職権抹消される

「買戻権の行使」による「所有権移転登記」が
申請された場合

買戻し特約の登記

※注:所有権移転登記じたいを抹消する場合に
   「買戻し特約」も抹消するケースでは、
   申請によらなければならない

①賃借権について転貸の登記がされている場合
②転借人の承諾を証する情報等を提供し、
「賃借権設定の登記」を抹消したとき

転貸の登記

(平成21-16肢3)
1番抵当権から「順位譲渡」を受けた「2番抵当権
の登記」が抹消された場合

1番抵当権に付記された
「順位譲渡」の登記

b.登記官によって登記されるもの

  登記官によって登記される
①表題登記がない不動産について、
②嘱託により「処分の制限の登記」が
される場合
前提として、
表題登記及び所有権保存の登記
「地役権設定」の登記を申請した場合 「要役地」についての登記
「信託財産に属する不動産」について、
権利の移転・権利の変更
信託の変更登記
根抵当権の分割譲渡の登記を申請した
場合
原根抵当権の極度額の変更の登記
新築工事の先取特権保存の登記を申請
した場合
表題部&甲区への記録
※所有権保存登記ではない!
①所有権更正
②持分抵当権抹消
(持分抵当権の更正)
③及ぼす変更登記
①甲区2番A単独名義の所有権
②乙区1番B名義の抵当権設定
③甲区2番が、AB共有名義に更正された
④乙区1番抵当権は、登記官の職権により
 A持分抵当権に更正される
⑤その後契約で所有権全部に及ぼす場合、
 1番抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更(付記)

買戻し特約

買戻権の行使 『所有権を目的として設定された買戻権』に後れる権利の登記
⇒ex:買主が設定した用益権・担保権消滅する。
        ▼
      共同申請 『年月日買戻権行使による所有権移転』
買戻権行使により「所有権移転登記『年月日買戻』」がされた場合、
『買戻権』の登記は登記官の職権抹消
所有権移転登記
   +
  買戻権
の両方を抹消する
共同申請
買戻し特約の登記を抹消するとき、
買戻権者の住所に変更があっても
      ▼
所有権以外の権利の抹消→登記名義人住所変更
            省略できる。
買戻特約の
原因日付
・所有権移転の時期は支払い日であったとしても
 買戻特約登記原因日付「契約日」

地役権-要役地・承役地

乙土地を承役地とし、
Cを地役権者とする地役権設定登記
【要役地】
要役地での「地役権設定」登記
登記官の職権で登記される。
地役権設定登記の登録免許税 承役地の不動産の個数1個
   金1,500円
【特約】
地役権は要役地の所有権とともに移転
しない旨の定め

①要役地の所有権移転があった
②地役権は消滅する

〇番地役権抹消
〇〇年〇〇月〇〇日 要役地の所有権移転
権利者:承役地の所有権名義人
義務者:従前の要役地の所有権名義人
    (地役権者であったもの)
※要役地の新所有者は地役権者とはなっていない

地役権設定登記の抹消
における、
要役地の利害関係人
【要役地】
地役権設定登記に後れる登記
ex:抵当権,差押え,所有権に関する仮登記
→「要役地が地役権の便益を受けることを前提とした権利」で、地役権が消滅すると「要役地の担保価値」が減少し、不利益を被る立場にある
          
登記上の利害関係を有する第三者

処分禁止の登記

所有権 所有権以外の
権利の移転・抹消
所有権以外の
権利の保存・設定・変更
甲区に
処分禁止の登記
乙区に
処分禁止の登記

・甲区に処分禁止の登記
・乙区に保全仮登記

甲区 処分禁止の仮処分 A
乙区 地上権設定登記請求権
   保全仮登記 A

保全すべき登記請求権の登記と同時に
「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消
できる

①保全すべき登記請求権が
 不動産の使用収益する権利
②後れる登記が
 不動産の使用収益する権利
      or
 その権利を目的とする権利
      ▼
仮登記の本登記と同時に
後れる登記を抹消できる。

保全すべき請求権が
抵当権設定だったら、
後れる登記抹消できない

【「処分禁止の登記」の抹消】

「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消申請
あった場合には、
登記官の職権抹消

「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消申請
なかった場合には、
⇒仮処分債権者の申立てにより、
 裁判所書記官が嘱託

登記官の職権抹消

後れる登記の抹消の有無に
かかわらず、
仮登記の本登記が入ってい
れば仮処分効力を援用した
ことは明らかだから。

2.嘱託登記

  嘱託登記される
(平成27-18肢オ)
①「強制競売の開始決定」に基づく「差押え」の登記がされた土地について、
②差押えに後れる「賃借権設定登記」がされている場合に、
③買受人が代金を納付したとき
裁判所書記官は、
①買受人への権利移転の登記
②差押えの登記の抹消
③差押えに後れる賃借権設定登記
 の抹消
・・・について嘱託しなければならない
①「強制競売による売却」を登記原因とする
「所有権移転の登記」が嘱託された場合、
②「差押債権者の差押え」の登記後にされた
地上権設定登記
「差押えの登記」後にされた「地上権設定登記」
は、書記官の嘱託により抹消される
(平成25-19肢ア)
①「滞納処分による差押え」がされている不動産
②その「公売処分」がされ、当該公売処分による「所有権移転の登記」がされた場合に、
③差押えの後に登記された抵当権設定登記
官庁又は公署は、公売処分をした場合には
登記権利者の請求があったときは遅滞なく
①公売処分による権利の移転登記
②「公売処分により消滅した権利」の登記の抹消
③「滞納処分に関する差押え」の登記の抹消
について嘱託しなければならない

(平成25-19肢エ)
債務者(個人)に係る破産手続開始決定
の登記がされた不動産について、
破産管財人が任意売却した場合
裁判所書記官は、破産管財人の申立てにより
「破産手続開始」の登記の抹消を嘱託しなけれ
ばならない

3.申請による抹消

  申請により抹消する
(平成27-18肢エ)
「不動産の使用or収益をする権利」につき
保全仮登記に基づく本登記を申請する
場合

同時に申請するときに限り、仮処分
債権者は単独で、仮処分に後れる
所有権以外の使用or収益をする権利
又はその権利を目的とする権利の登記
の抹消を申請できる
(平成21-16肢5)
買戻特約の付記のある所有権移転登記
を抹消する場合
所有権移転登記の抹消と同時に
又はこれに先立って、申請により
「買戻し特約」の登記を抹消しなけ
ればならない
(平成21-16肢2)
確定前の根抵当権について、
根抵当権者AからBへ一部移転登記を
するとともに「優先の定め」の付記が
されている場合に、その後「一部移転」
登記が抹消されたとき
「優先の定め」の付記の抹消は
申請によって抹消しなければならない
(平成21-16肢4)
1番抵当権から2番抵当権への順位放棄
の登記がされた後、順位変更の登記が
された場合
「順位放棄」の登記の抹消は
申請によって抹消しなければならない

時効取得(原始取得)により抵当権を抹消

A所有の甲土地に、地上権Bと抵当権Cとが登記されている。
Yが甲土地につき、時効取得し、所有権移転登記を申請する場合、
地上権や抵当権の登記の抹消は、申請による。
1.所有権保存
    A
1.地上権設定
    B
1.所有権保存
    A
1.地上権設定
    B
  2.抵当権設定
    C
2.所有権移転
  年月日時効取得
    
2.抵当権設定
    C
      1番地上権抹消
 年月日所有権の時効取得
      2番抵当権抹消
 年月日所有権の時効取得

買戻し権行使により買戻特約の登記後の権利の抹消

A所有の甲土地が、Bへの所有権移転登記がなされ、同時に、
Aの買戻特約の付記がされている。
その後、抵当権設定登記Cがされた。
Aの買戻権の行使による所有権移転登記がされた。
買戻特約の登記後の地上権や抵当権の登記の抹消は、申請による。
1.所有権保存
    A
1.抵当権設定
    C
1.所有権保存
    A
1.抵当権設定
    C
2.所有権移転
    B
  2.所有権移転
    B
2.1番抵当権抹消
年月日買戻権行使による所有権移転
 権利者 A
 義務者 C
付記1 買戻特約
     A
付記1 買戻特約
     A
 
      3.所有権移転
 年月日買戻権行使
    A