職権登記・嘱託登記・申請による抹消登記
公開日 2019年2月23日 最終更新日 2021年11月17日
もくじ
1.登記官による職権登記
上記のPDFは、2021年11月に改めて作り直しましたので、ダウンロード可能です。
(とある方よりPDF文書のダウンロードができないとのメール頂きまして、直しました。)
a.登記官による職権抹消
b.登記官によって登記されるもの
登記官によって登記される | |
①表題登記がない不動産について、 ②嘱託により「処分の制限の登記」が される場合 |
前提として、 表題登記及び所有権保存の登記 |
「地役権設定」の登記を申請した場合 | 「要役地」についての登記 |
「信託財産に属する不動産」について、 権利の移転・権利の変更 |
信託の変更登記 |
根抵当権の分割譲渡の登記を申請した 場合 |
原根抵当権の極度額の変更の登記 |
新築工事の先取特権保存の登記を申請 した場合 |
表題部&甲区への記録 ※所有権保存登記ではない! |
①所有権更正 ②持分抵当権抹消 (持分抵当権の更正) ③及ぼす変更登記 |
①甲区2番A単独名義の所有権 ②乙区1番B名義の抵当権設定 ③甲区2番が、AB共有名義に更正された ④乙区1番抵当権は、登記官の職権により A持分抵当権に更正される ⑤その後契約で所有権全部に及ぼす場合、 1番抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更(付記) |
買戻し特約
買戻権の行使 | 『所有権を目的として設定された買戻権』に後れる権利の登記 ⇒ex:買主が設定した用益権・担保権は消滅する。 ▼ 共同申請 『年月日買戻権行使による所有権移転』 |
買戻権行使により「所有権移転登記『年月日買戻』」がされた場合、 『買戻権』の登記は登記官の職権抹消 |
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所有権移転登記 + 買戻権 の両方を抹消する |
共同申請 |
買戻し特約の登記を抹消するとき、 買戻権者の住所に変更があっても ▼ 所有権以外の権利の抹消→登記名義人住所変更 省略できる。 |
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買戻特約の 原因日付 |
・所有権移転の時期は支払い日であったとしても 買戻特約の登記原因日付は「契約日」 |
地役権-要役地・承役地
乙土地を承役地とし、 Cを地役権者とする地役権設定登記 |
【要役地】 要役地での「地役権設定」登記 ⇒登記官の職権で登記される。 |
地役権設定登記の登録免許税 | 承役地の不動産の個数1個 金1,500円 |
【特約】 地役権は要役地の所有権とともに移転 しない旨の定め |
①要役地の所有権移転があった 〇番地役権抹消 |
地役権設定登記の抹消 における、 要役地の利害関係人 |
【要役地】 地役権設定登記に後れる登記 ex:抵当権,差押え,所有権に関する仮登記 →「要役地が地役権の便益を受けることを前提とした権利」で、地役権が消滅すると「要役地の担保価値」が減少し、不利益を被る立場にある ▼ 登記上の利害関係を有する第三者 |
処分禁止の登記
所有権 | 所有権以外の 権利の移転・抹消 |
所有権以外の 権利の保存・設定・変更 |
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甲区に 処分禁止の登記 |
乙区に 処分禁止の登記 |
・甲区に処分禁止の登記 |
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保全すべき登記請求権の登記と同時に 「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消 できる |
①保全すべき登記請求権が
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【「処分禁止の登記」の抹消】 「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消申請 「処分禁止の登記」に後れる登記を抹消申請 |
登記官の職権抹消 後れる登記の抹消の有無に |
2.嘱託登記
嘱託登記される | |
(令和3-14肢イ) ①土地の強制競売の買受人が代金を納付した ②所有権への差押えの登記の抹消の嘱託 |
裁判所書記官は、 ①買受人への権利移転の登記 ②差押えの登記の抹消(←ここまでが第1欄) ③差押えに後れる「使用収益しない不動産質権」 の抹消 ・・・について嘱託しなければならない |
(平成27-18肢オ) ①「強制競売の開始決定」に基づく「差押え」の登記がされた土地について、 ②差押えに後れる「賃借権設定登記」がされている場合に、 ③買受人が代金を納付したとき |
裁判所書記官は、 ①買受人への権利移転の登記 ②差押えの登記の抹消 ③差押えに後れる賃借権設定登記 の抹消 ・・・について嘱託しなければならない |
①「強制競売による売却」を登記原因とする 「所有権移転の登記」が嘱託された場合、 ②「差押債権者の差押え」の登記後にされた 地上権設定登記 |
「差押えの登記」後にされた「地上権設定登記」 は、書記官の嘱託により抹消される |
(平成25-19肢ア) ①「滞納処分による差押え」がされている不動産 ②その「公売処分」がされ、当該公売処分による「所有権移転の登記」がされた場合に、 ③差押えの後に登記された抵当権設定登記 |
官庁又は公署は、公売処分をした場合には 登記権利者の請求があったときは遅滞なく ①公売処分による権利の移転登記 ②「公売処分により消滅した権利」の登記の抹消 ③「滞納処分に関する差押え」の登記の抹消 について嘱託しなければならない |
(平成25-19肢エ) 債務者(個人)に係る破産手続開始決定 の登記がされた不動産について、 破産管財人が任意売却した場合 |
裁判所書記官は、破産管財人の申立てにより 「破産手続開始」の登記の抹消を嘱託しなけれ ばならない |
3.申請による抹消
申請により抹消する | |
(令和3-14肢エ) ①元本確定前の根抵当権一部移転 つまり根抵当権の共有状態 ②根抵当権の共有者間の優先の定め ③「根抵当権一部移転登記」の抹消 |
「根抵当権の共有者間の優先の定め」は申請により抹消しなければならない |
(平成27-18肢エ) 「不動産の使用or収益をする権利」につき 保全仮登記に基づく本登記を申請する 場合 |
同時に申請するときに限り、仮処分 債権者は単独で、仮処分に後れる 所有権以外の使用or収益をする権利 又はその権利を目的とする権利の登記 の抹消を申請できる |
(平成21-16肢5) 買戻特約の付記のある所有権移転登記 を抹消する場合 |
所有権移転登記の抹消と同時に 又はこれに先立って、申請により 「買戻し特約」の登記を抹消しなけ ればならない |
(平成21-16肢2) 確定前の根抵当権について、 根抵当権者AからBへ一部移転登記を するとともに「優先の定め」の付記が されている場合に、その後「一部移転」 登記が抹消されたとき |
「優先の定め」の付記の抹消は 申請によって抹消しなければならない |
(平成21-16肢4) 1番抵当権から2番抵当権への順位放棄 の登記がされた後、順位変更の登記が された場合 |
「順位放棄」の登記の抹消は 申請によって抹消しなければならない |
時効取得(原始取得)により抵当権を抹消
① | A所有の甲土地に、地上権Bと抵当権Cとが登記されている。 |
② | Yが甲土地につき、時効取得し、所有権移転登記を申請する場合、 |
③ | 地上権や抵当権の登記の抹消は、申請による。 |
1.所有権保存 A |
1.地上権設定 B |
→ | 1.所有権保存 A |
1.地上権設定 B |
2.抵当権設定 C |
→ | 2.所有権移転 年月日時効取得 Y |
2.抵当権設定 C |
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→ | 1番地上権抹消 年月日所有権の時効取得 |
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→ | 2番抵当権抹消 年月日所有権の時効取得 |
買戻し権行使により買戻特約の登記後の権利の抹消
① | A所有の甲土地が、Bへの所有権移転登記がなされ、同時に、 |
② | Aの買戻特約の付記がされている。 |
③ | その後、抵当権設定登記Cがされた。 |
④ | Aの買戻権の行使による所有権移転登記がされた。 |
⑤ | 買戻特約の登記後の地上権や抵当権の登記の抹消は、申請による。 |
1.所有権保存 A |
1.抵当権設定 C |
→ | 1.所有権保存 A |
1.抵当権設定 C |
2.所有権移転 B |
→ | 2.所有権移転 B |
2.1番抵当権抹消 年月日買戻権行使による所有権移転 権利者 A 義務者 C |
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付記1 買戻特約 A |
→ | 付記1 買戻特約 A |
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3.所有権移転 年月日買戻権行使 A |