不動産執行・担保不動産競売 配当要求

民事執行法

今回の記事は、民事執行法の、

・民事執行法の全体のイメージ図
・不動産執行
・担保不動産競売
・配当要求

・・・についてをまとめています。

00 民事執行法の全体図

民事執行法の全体図は次のようになります。

今回は、上記全体図の中の、赤い丸印の「不動産執行」と「担保権の実行」についてです。

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01 不動産執行と担保不動産競売 比較表

  不動産に対する強制執行 不動産を目的とする担保権の実行
方法 強制競売
強制管理
担保不動産競売
担保不動産収益執行
債務名義 債務名義が必要 登記事項証明書を出せばいい
執行抗告or執行異議の
請求事由
①手続きの瑕疵 手続き上 ①手続きの瑕疵 手続き上
②担保権の不存在・消滅 実体上
請求異議の訴え 請求異議の訴え 可 実体上 不可
第三者異議の訴え
開始決定前の保全処分 開始決定前の保全処分は不可
※強制執行していくのは一般債権者だから
開始決定前の保全処分も可能
※なんたって抵当権者ですから!
【担保不動産-競売の公信的効果】

代金納付前に抵当権が消滅していても、代金を納付した以上は競売手続きでの不動産をゲットすることができます。

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不動産執行(不動産の強制競売)

不動産執行(不動産の強制競売)の「法定売却条件」についてのまとめ表です。

(競売不動産に第三者の権利が存在する場合に、それをどう処理するか?についてです。)

  売却により消滅・失効する 買受人が引受けるもの
担保権
※1
①先取特権(一般・不動産)
②使用収益しない質権
③使用収益する質権で
 次順位のもの
④抵当権・根抵当権
①使用収益する質権で
 最先順位のもの
②留置権
(差押後も含む)
※2
所有権移転仮登記 担保仮登記
※3
最先順位の
非担保仮登記 ※4
用益権
・消滅する抵当権
・差押・仮差押
・・・に対抗できない用益権
(地上権・永小作権・賃借権・使用貸借権等)
※5
②非担保仮登記
(最優先でないもの)
①最先順位の用益権
(地上権・永小作権
賃借権)
※6
②民387の要件満たす
 賃借権 ※7
処分制限 ①差押 ※8
②仮差押 ※8
③・消滅する担保権
 ・差押・仮差押
・・・に対抗できない仮処分
※9
最先順位の仮処分
※10
不動産の移転 「差押・仮差押」に対抗できない
不動産(所有権・地上権)の移転
※11
 

※1 「交換価値」を把握するもの
※2 消滅したら意味が無くなるもの
※3 「交換価値」を把握するもの
   差押に先立つ担保仮登記にかかる権利は、不動産の強制競売において、
   差押債権者に対抗できる場合を除き、売却によって消滅し、買受人は
   引受けない。
※4 通常の仮登記
  例:売買予約を原因とする「所有権移転登記請求権仮登記」
※5 対抗関係で劣後するもの
※6 その不動産の使用・収益を目的とするもので、対抗関係でも優先しているもの
※7 登記した賃借権で、その登記前に登記した抵当権を有する全ての者が同意し、
   かつ、その同意の登記がされた場合
   ⇒その同意した抵当権者に対抗できる(民387Ⅰ)
※8 金銭の回収を目的とするもの
※9 対抗関係で劣後するもの
※10

①「所有権移転登記請求権」を保全するための「仮処分登記」
②担保権設定等「登記請求権」を保全するための「仮処分登記」
③用益権設定「登記請求権」を保全するための「仮処分登記」
④「建物収去土地明渡請求権」を保全するための「仮処分登記」
※11 対抗関係で劣後するもの

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02 配当要求

【配当要求とは?】

自身は差押えの申立てをしていない場合でも、他人の競売に乗っかって自分にも配当だけ分けて下さいと要求する方法のことです。


◯:当然に配当が行われます。  
配当要求:配当要求した場合のみ配当がなされます。

  不動産の強制競売 不動産の強制管理 動産の強制執行 債権の強制執行
差押登記前 差押登記後









「仮差押」登記をした債権者

「仮差押」登記をした債権者

配当要求
強制管理を申立た「仮差押」

仮差押の執行

仮差押の執行






強制競売申立あり

強制競売申立あり

強制管理申立あり

強制競売申立ナシ

配当要求
強制競売申立ナシ

配当要求
強制管理申立ナシ

配当要求
配当要求

以上、民事執行法の全体図,不動産執行,担保不動産競売,配当要求についてでした。
お疲れ様でした。

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