【2023年更新】集合動産譲渡担保

集合動産に対する譲渡担保のアイキャッチ画像譲渡担保

今回の記事は、

・そもそも、動産譲渡担保ってどういうしくみなのか?
・動産譲渡担保に関する判例の解説

・・・など、イラスト図解付きで、わかりやすくまとめています。

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01 動産譲渡担保とは?

動産譲渡担保について、イラスト図解でわかりやすく解説していきます。

1⃣Aから借金をしたBは、なにか抵当権のような担保権を設定しようということで、Bの「倉庫内のビール」に譲渡担保を設定しました。
2⃣倉庫内のビールは、同じビールがずっとそこに備蓄されているわけではなく、倉庫から出荷され、また新たに倉庫へビールが入ってくるの繰り返し状態になっています。

こんなふうに、通常の営業をしている限りは、倉庫内の動産は入れ代わりつつ、ある一定量の動産は、倉庫内にあるという状態になります。
動産譲渡担保の図解

このように、「集合する動産(例:倉庫内のビール)」に、担保権を設定したものが、「集合動産譲渡担保」です。

02 動産譲渡担保に関する重要判例

動産譲渡担保に関する重要判例を、あげています。

a.最決平11.5.17 売買代金債権への物上代位

譲渡担保権者は、設定者により売却された当該動産の「売買代金債権」に対し、譲渡担保権に基づき物上代位できます。
譲渡担保権者は、債務者の売買代金債権に物上代位できる

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b.最決平22.12.2 保険金請求権への物上代位

「構成部分の変動する集合動産」を目的とする譲渡担保権者は、目的物が滅失したことにより、設定者が取得した「保険金請求権」に物上代位行使できます。
動産譲渡担保-目的物が滅失した場合に保険金請求権に物上代位できる

保険金請求権への物上代位ができない場合

構成部分の変動する「集合動産」を目的とする「集合物譲渡担保契約」は、設定者が「目的動産を販売して営業を継続すること」を前提としています。

なので、設定者が ” 通常の営業を継続している ” 場合には、目的動産の滅失により、上記請求権が発生しても、譲渡担保権者は「保険金請求権」に物上代位行使はできません

c.最判昭35.2.11 通常の営業の範囲を超える売却処分

「構成部分の変動する集合動産」に譲渡担保が設定され、設定者が「通常の営業の範囲を超える売却処分」をした場合には、「譲渡担保権の目的である集合物」から離脱したと認められない限り、「処分の相手方(買主)」は所有権を取得できません。

この判例の買主は、『占有改定による引渡し』を受けたに過ぎませんでした。
なので、目的物は集合物から離脱していないとされ、買主は所有権を取得できません。
買主は、目的物を「占有改定による引渡し」を受けただけでは「即時取得」できません。
これを、イラスト図解であらわすと次のようになります。
集合動産譲渡担保の場合、買主は占有改定による引渡しの方法では即時取得できない

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d.最判平8.11.22 清算金支払請求権と受戻権

設定者は、譲渡担保権者が「清算金の支払いをせず、清算金がない旨の通知もしない」間に、設定者の「受戻権」を放棄しても、譲渡担保権者に対し、清算金の支払いを請求はできません。

理由は、「清算金支払請求権」と「受戻権」は、あくまでも別個の権利だからです。
 
【清算金支払請求権とは?】
こちらの図解を参照して下さい → 『清算金支払請求権の図解』
 
【受戻権とは?】
こちらの記事を参照して下さい → 『受戻権とは?』

e.最判昭35.2.11 占有改定による引渡しは即時取得 不可

1⃣BのAに対する金銭債権担保のため、Aの動産甲に「譲渡担保」を設定しました。
 ・譲渡担保権者:B  ・債務者兼設定者:A

2⃣譲渡担保権者Bに対し、目的物である動産甲を、「占有改定による引渡し」をしました。

3⃣債務者Aは、善意無過失のCに対し、動産を譲渡し、「占有改定による引渡し」をしました。
債務者Aが、動産甲に譲渡担保を設定したことにより、動産甲の所有権は、現在、譲渡担保権者Bに移転しています。
つまり、債務者Aは、動産甲の元々の所有権者ではありましたが、現在は、無権利者です。
「無権利者であるA」から譲渡を受けたCは、原則として動産甲の所有権を取得できませんが、動産甲を「即時取得」することができれば、Cはその所有権を取得し得ることになります。

4⃣しかし、「占有改定による引渡し」がされても「即時取得」はすることができません。
したがって、Cは動産甲の所有権を取得できません。

f.最判平6.2.22 弁済期後の譲渡担保権者による譲渡

1⃣BのAに対する金銭債権担保のため、Aの動産甲に「譲渡担保」を設定しました。
 ・譲渡担保権者:B  ・債務者兼設定者:A

2⃣譲渡担保権者Bに対し、動産甲の「現実の引渡し」をしました。

3⃣弁済期が到来したのに、債務者兼設定者Aは、債務を弁済しませんでした。

4⃣譲渡担保権者Bは、動産甲をCに譲渡し、「現実の引渡し」をしました。

ここまでの時点になってしまうと、債務者Aは、今さら「債務を弁済して目的物を受け戻す」ことはできません。

第三者に、譲渡され現実の引渡しまでされた後は、債務者兼設定者Aの受戻権は消滅するということです。

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