担保仮登記

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担保仮登記とは?

金銭債務を担保するために、債権者が「債務者or物上保証人」の不動産に、
『所有権移転請求権仮登記』
『条件付所有権移転仮登記』
を入れておき、債務者に債務不履行があった場合には、その債務を回収する代わりに、債権者が「仮登記の本登記」をし、不動産の所有権を取得するという内容の契約。
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要するに、「仮登記」を「担保権」のように利用するもの。

担保仮登記の具体例

所有権移転請求権仮登記 年月日代物弁済予約
条件付所有権移転仮登記 年月日代物弁済(条件 年月日金銭消費貸借の債務不履行)
所有権移転請求権仮登記 年月日売買予約

※「本登記」の際に、「差押え及び供託があったことを証する情報」を提供した場合

担保仮登記のながれ

担保仮登記のながれ

《 具体例 》

④清算金見積額の通知・到達 R○年3月11日に通知し、3月12日に到達した。
 清算期間満了 2か月経過 5月12日
⑤所有権移転/原因日付 翌日 R○年5月13日
⑥清算金供託 R○年5月20日
⑦本登記申請可能な日 1か月経過後 R○年6月21日

④の清算金とは?

「不動産」と「債権」の差額。
⇒「取得した不動産の価額」が「回収すべき債権額」を超えるときは、その差額を『清算金』として債権者から債務者(or物上保証人)に返すことになる。

④の清算金の見積額の通知と清算期間の満了

「仮登記担保権者」が「仮登記担保権を実行」した(つまり債務不履行があった)場合、
『清算金の見積額』又は『清算金がない旨』を債務者に通知し「債務者に通知が到達した日」から、
2か月の清算期間
清算期間の満了日翌日
所有権が仮登記担保権者に移転する

※このように「仮登記にもとづく本登記」の「登記原因日付」は、清算期間の満了日の翌日となるので、「仮登記の原因日付」から少なくとも『2か月の期間経過後の日』であることを要する。

2か月の期間経過後
(翌日)
とする理由
債務者に最後の弁済のチャンスを与えて、
所有権を失うことをできるだけ防止してあげるため
担保仮登記
でない場合
登記原因が『代物弁済予約』で『所有権移転請求権仮登記』で
あったとしても、「担保仮登記」ではない場合には、
非金銭債権を担保することを証する情報」を添付すれば、
2か月以内でも「本登記」が可能となる。

担保仮登記をする場合の「後順位担保権者」との利害関係

「後順位担保権者」がいないケース

債権者は「清算金」を債務者に提供し、「仮登記の本登記」を申請できる。

⇒「清算金の提供」と「本登記の申請」は同時履行の関係に立つ。

「後順位担保権者」がいるケース

a.「後順位担保権者」の承諾が得られた場合

「仮登記権利者」は「後順位担保権者の承諾を証する情報」を添付し、仮登記の本登記を申請できる。

b.「後順位担保権者」が「清算金」に物上代位による差押えをしている場合

「後順位担保権者」のとりうる2つの方法

『「仮登記担保」の「本登記」をする旨』の通知を受けた「後順位担保権者」のとりうる方法
としては次の2つの方法がある。

物上代位による清算金の差押え
競売申立
①の「後順位担保権者」が「清算金」に物上代位による差押えをしている場合
仮登記権利者(清算金における第三債務者)は、
仮登記義務者(清算金における債権者)への弁済が禁止される。
「仮登記権利者の清算金支払い義務」と「仮登記義務者の登記申請義務」は
同時履行の関係にある。
しかし、「後順位担保権者から差押え」がされているので、
弁済が禁じられている「仮登記権利者」としては
「仮登記義務者の同時履行の抗弁権」
を奪うためには、供託をするしかない。
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「仮登記権利者」は清算金を供託することになる。
「後順位担保権者」としては、『清算金を差押えた』ということは、
『清算金の支払い』→『仮登記の本登記』→『自分の担保権の消滅』という
ながれを
承諾したことになる。

「供託日」から1か月間、「後順位担保権者」からの「競売申立」がない場合

この場合には「仮登記権利者」は「後順位担保権者の承諾を証する情報」に
代えて、
次の2つの書面により、仮登記の本登記を申請できる。

「承諾情報」に代えることができる情報

債権者が、
清算金を供託したことを証する書面

eg:供託書正本

「後順位担保権者」が、
物上代位により清算金を差押えたことを証する書面

eg:差押命令正本

【なぜ、供託日から1か月経過しないと本登記の申請ができないのかの理由】
物上代位による差押えをした「後順位担保権者」は、清算金の供託がされる前
ならば、
『競売申立の方法に切り替える』ことができる。
もし「切り替え」がされたなら、「清算金の供託を差押える」という方法は
使えなくなる。
そして、「切り替え」がされないことを「登記官が確信できる」のは、
通常「供託日から1か月後」とされているから。
②の「後順位担保権者」からの「競売申立」がある

→競売手続きへ

受戻し

債務者等は、仮登記担保権者から「清算金支払い債務の弁済」を受けるまでは、
「債権等の額に相当する金銭」を提供し、「不動産の所有権の受戻し」を
請求することができる。

受戻権の行使により、仮登記担保の目的物の所有権は、
仮登記義務者(仮登記担保権設定者)に移転する。

受戻権を行使できない場合

仮登記担保権者から「清算金支払債務」の弁済を受けている場合
清算期間が経過した時から5年が経過している場合
第三者が不動産の所有権を取得し、移転登記がなされた場合

受戻権を行使した場合の登記申請

  担保仮登記に基づく本登記
がなされていない場合
担保仮登記に基づく本登記
が既にされている場合
登記の種類 担保仮登記の抹消 所有権移転
登記原因  年 月 日 受戻しによる失効  年 月 日 受戻し
原因日付 意思表示到達日
登録免許税 不動産1個につき1,000円 不動産の価額 1000分の20

「受戻し」を原因とする所有権移転登記申請する場合の注意点

登記記録上の仮登記義務者の氏名・住所が、
『所有権移転 原因:受戻し』登記の権利者(=仮登記義務者)と異なる場合は、
「変更を証する情報」を提供する。
仮登記義務者は現に効力を有する登記名義人ではないため、名変登記ができないので。
仮登記義務者(担保仮登記の設定者)が死亡した後、
その相続人が仮登記権利者に受戻しの意思表示をした場合、
「一般承継のあったことを証する情報」を提供して、
直接、相続人名義に、『所有権移転 原因:受戻し』登記を申請することができる。