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今回の記事は、
02 担保仮登記のながれ
03 担保仮登記をする場合の「後順位担保権者」との利害関係
清算金・物上代位による差押え
04 受戻し
・・・について、わかりやすくまとめています。
01 担保仮登記とは?
金銭債務を担保するために、債権者が「債務者or物上保証人」の不動産に、
・条件付所有権移転仮登記
担保仮登記をイメージ図であらわすとこんな感じです。▼
a.担保仮登記をもっと具体的に
担保仮登記の具体例としては、次の3つです。
・条件付所有権移転仮登記 原因日付: 年 月 日 代物弁済(条件 年月日金銭消費貸借の債務不履行)
・所有権移転請求権仮登記 原因日付: 年 月 日 売買予約
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02 担保仮登記のながれ
下記のような事例を想定しています。
①仮登記担保契約 | |
②仮登記申請 | |
③債務不履行 | |
④清算金見積額の通知・到達 | ○年3月11日に通知し、3月12日に到達した。 |
清算期間満了 | 2か月経過 5月12日 |
⑤所有権移転/原因日付 | 翌日 5月13日 |
⑥清算金供託 | ○年5月20日 |
⑦本登記申請可能な日 | 1か月経過後 ○年6月21日 |
上記事例での、担保仮登記のながれを図にあらわすとこんなイメージになります。
仮登記担保権者が、仮登記担保権を実行した場合、
・清算金の見積額 又は
・清算金がない旨
・・・を債務者に通知しなければなりません。
清算期間は、2ヶ月です。
所有権移転の原因日付となるのは、清算期間満了の翌日となります。
翌日に、所有権が仮登記担保権者に移転することになります。
a.清算金とは?
「取得した不動産の価額」が「回収すべき債権額」を超えるときは、その差額を『清算金』として債権者から債務者(or物上保証人)に返すことになります。
つまり、
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03 担保仮登記をする場合の「後順位担保権者」との利害関係
担保仮登記をする場合に、
・後順位担保権者がいる場合
a.後順位担保権者の承諾が得られた場合
b.後順位担保権者が「清算金」に物上代位による差押えをしている場合
a.後順位担保権者がいない場合
後順位担保権者がいない場合には、債権者は「清算金」を債務者に提供し、「仮登記の本登記」を申請することができます。
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b.後順位担保権者がいる場合
後順位担保権者がいる場合には、2つのケースにわかれます。
Ⅱ.後順位担保権者が「清算金」に物上代位による差押えをしている場合
Ⅰ.後順位担保権者の承諾を得られた場合
仮登記権利者は「後順位担保権者の承諾を証する情報」を添付し、仮登記の本登記を申請をすることができます。
Ⅱ.本登記をする旨の通知を受けた後順位担保権者の取り得る方法
仮登記担保の本登記をする旨の通知を受けた「後順位担保権者」の取り得る方法としては、次の2つの方法があります。
②競売申立
①物上代位による清算金の差押え
後順位担保権者が、清算金に物上代位による差押えをしている場合には、次のようなストーリーとなります。
「仮登記義務者」への清算金の弁済ができない状態ということは、登記申請もしてもらえません。
(上記にあるように、同時履行の関係に立つからです。)
「仮登記権利者」としては「仮登記義務者の同時履行の抗弁権」を奪うためには、供託をするしかなくなります。
→そこで、「仮登記権利者」は清算金を供託することになります。
『清算金の支払い』→『仮登記の本登記』→『自分の担保権の消滅』というながれを承諾したことになります。
・債権者が、清算金を供託したことを証する書面(例:供託書正本)
・「後順位担保権者」が、物上代位により清算金を差押えたことを証する書面(例:差押命令正本)
②競売申立
後順位担保権者からの競売申し立てがあった場合には、競売手続きへとなります。
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04 受戻し
受戻しとは、債務者等が行使できる権利です。
債務者等は、仮登記担保権者から「清算金支払い債務の弁済」を受けるまでは、「債権等の額に相当する金銭」を提供し、「不動産の所有権の受戻し」を請求することができます。
受戻権の行使により、仮登記担保の目的物の所有権は、仮登記義務者(仮登記担保権設定者)に移転します。
受戻しは、かんたんに言ってしまえば、債務者等が目的物の所有権を取り戻す
” 最後のチャンス ”だニャ。
a.受戻権を行使できない場合
次の場合には、債務者等は受戻権を行使できなくなります。
②清算期間が経過した時から5年が経過している場合
③第三者が不動産の所有権を取得し、移転登記がなされた場合
b.受戻権を行使した場合の登記申請書
債務者等が、受戻権を行使した場合の登記申請書は次のようになります。
担保仮登記に基づく本登記 がなされていない場合 |
担保仮登記に基づく本登記 が既にされている場合 |
|
登記の種類 | 担保仮登記の抹消 | 所有権移転 |
登記原因 | 年 月 日 受戻しによる失効 | 年 月 日 受戻し |
原因日付 | 意思表示到達日 | 意思表示到達日 |
登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 | 不動産の価額 1000分の20 |
【「受戻し」を原因とする所有権移転登記を申請する場合の注意点】
以上、担保仮登記に関する、
02 担保仮登記のながれ
03 担保仮登記をする場合の「後順位担保権者」との利害関係
清算金・物上代位による差押え
04 受戻し
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