根抵当権移転(根抵当権の全部譲渡)

根抵当権の全部譲渡

1.A銀行が田中太郎より根抵当権の設定を受けていた。
2.A銀行からB銀行に対し、根抵当権の全部譲渡をした。
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3.A銀行の田中太郎に対する「A債権・B債権」はもう根抵当権では
  担保されなくなり、無担保債権となる。
4.今後は、B銀行の「これから取得する債権」「これまでに取得していた債権」
 「C債権・D債権」が担保されることになる。

                        

利害関係人の承諾

設定者:田中太郎」の承諾効力要件日付に影響あり!
⇒「根抵当権者」の変更を望まない「設定者」の利益を保護するため

共同根抵当権の場合

◆共同根抵当権の場合には、全ての不動産に登記しなければ効力を生じない。

元本確定前

◆全部譲渡は元本確定前でなければできない。
 ⇒「登記原因」の日付が「確定前」であっても、「元本確定後」に申請する全部譲渡
  の登記は受理されない。
  「申請まで含めて確定前でなければならない!

理 由

「根抵当権の全部譲渡」の効果としては、これまでのA銀行の「A債権・B債権」から
B銀行の「C債権・D債権」が担保されることになるということから、
「担保される債権」が変わってくる。
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これは、「債権の範囲」の変更と同じ。
「債権の範囲」は『根抵当権の3要素』なので、登記が効力要件。
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「合意」と登記まで含めて「確定前」になされてなければならない!

申請書

1.A銀行が田中太郎より根抵当権の設定を受けていた。

所有権保存
 田中太郎
根抵当権設定
 金3000万円
 株式会社 A銀行

根抵当権移転(根抵当権の全部譲渡)

2.A銀行からB銀行に対し、根抵当権の全部譲渡をした。

登記の目的 1番 根抵当権 移転
原因・日付 平成○○年○月○日 譲渡
登記事項 なし
申請人の氏名
及び名称

権利者   (住 所)
      株式会社 B銀行
      (会社法人等番号 ◯◯◯◯)

義務者   (住 所)
      株式会社 A銀行
      (会社法人等番号 ◯◯◯◯)

添付情報

・登記原因証明情報

・登記識別情報
 (株式会社A銀行の乙区1番の登記識別情報)

・承諾証明情報
 (設定者 田中太郎の承諾書)

・会社法人等番号

・代理権限証明情報

課税価格 金3000万円 (←全部譲渡されたので極度額を取っていく
登録免許税 金6万円   (←2/1000

3.1番根抵当権が、A銀行からB銀行へ移転した。

原因日付

「合意の日」か「設定者の承諾」かいずれか遅い日を取っていく。
 ⇒設定者の承諾が効力要件なので、日付に影響あり!ということ。

設定者の承諾書:効力要件「日付に影響あり!」→不動産登記令7条1項5号ハ

登記の実行

「所有権以外の移転」なので、『付記登記』