株式分割-基準日公告,株式分割の特則/発行可能株式総数の変更の決議まとめ

株式分割アイキャッチ画像 株式に関する登記

今回の記事は、株式分割について、

01 株式分割とは?
02 株式分割をするための決議機関
 a.決議事項
 b.種類株式総会
03 株式分割の基準日公告
04 株式分割の特則-発行可能株式総数の変更
 a.会社が現に2種類以上の株式を発行している場合
 b.分割比率を超える割合の増加をする場合
05 申請書例
・・・についてです。

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01 株式分割とは?

株式分割とは、読んでそのまま「すでに発行している株式を細分化して分割すること」です。
つまり、株式を分割することによって、株式数を増加させるわけです。

株式分割とは、すでに発行している株式を分割し、株式数を増加させることです。

この「株式分割」をする理由としては、
①株価が高騰してくると、嬉しい反面、あまりに高くなり過ぎると、誰も株式を買えなくなってしまいます。
②誰も買わなくなって、流通が著しく低下していきます。
③そこで、流通しやすくするために、株式を細分化して、1株の値段を下げます。
・・・このようにして、会社の株式の流通をしやすくするために行われるのが、「株式分割」です。

そして、株式分割の特徴は、
・株式分割をしても、資本金は変化しません。
・株式分割により、自己株式の数は、増加します。

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02 株式分割をするための決議機関

株式分割をするための決議は、

取締役会設置会社では、取締役会の決議でなされます。
取締役会 非 設置会社では、株主総会/普通決議でなされます。

a.決議事項

株式分割の決議をする際、決めなければならない事項は、次のとおりです。

1 株式の分割により「増加する株式の総数」の株式の「分割前の発行済株式の総数」に対する『割合』
2 分割に係る「基準日」
3 効力発生日
4 種類株式発行会社である場合は、分割する株式の種類

b.種類株式総会

種類株式発行会社が「株式分割」を行い、ある種類の株式の株主に損害を及ぼすおそれがある場合には、その種類の株式の種類株主を構成員とする「種類株主総会の特別決議」が必要です。

ある種類の株式の株主に損害を及ぼすおそれがある場合には、その種類株主を構成員とする『種類株主総会の特別決議』が必要です。

この場合の登記申請の添付書面は、次のものが必要です。
種類株主総会議事録

種類株主総会が不要な場合

ただし、次のいずれかの場合には、種類株主総会は不要となります。

①定款に「当該種類株主総会の決議を要しない旨」を規定している場合には、不要です。
(注1)

(※理由としては、登記事項なので、登記記録から登記官からも判明するからです。)

②当該種類株主総会において、「議決権を行使することができる種類株主」が存在しない場合にも、不要となります。
注1:この定めがある場合には、株式買取請求権が認められます。

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03 株式分割の基準日公告

株式分割をする場合には、会社は「基準日」を定めなければなりません。
そして、「基準日」の2週間前までに、「基準日」と「基準日株主が行使することができる権利の内容」についてを、公告しなければなりません。

・株式分割をする「基準日」を定めなければなりません。
・基準日の2週間前までに、
 ①基準日
 ②基準日株主が行使できる権利の内容
・・・についてを公告しなければなりません。
※ただし、定款にこれらの内容についての定めがある場合には、この公告は不要となります。

【各書面の添付についてのまとめ表】
  公告をしたこと
を証する書面
通知・催告をしたこと
を証する書面
株式買取請求権の保護のための通知又は公告 不要
基準日公告 不要
株券又は新株予約権証券の提供公告かつ通知 必要 不要
債権者異議手続のための公告及び催告
「公告したこと」+「個別催告」で計2通
必要 必要

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04 株式分割の特則-発行可能株式総数の変更

通常、「発行可能株式総数」の変更は、「定款変更」なので、株主総会/特別決議が要求されます。

ところが、この「株式分割」には「株式分割の特則」があり、「発行可能株式総数」を株式分割の割合に応じて増加する場合には、「取締役の決定」又は「取締役会決議」で、「発行可能株式総数」の変更を決議することができます。

【株式分割の特則とは?】

株式分割の割合に応じた「発行可能株式総数」の変更は、「取締役の決定」又は「取締役会決議」で決議することができます。


「株式分割の割合に応じた発行可能株式総数の変更」を図解すると次のようになります。

a.会社が現に2種類以上の株式を発行している場合

会社が、現に2種類以上の株式を発行している場合には、「株式分割の特則」は使えません。
原則どおり、発行可能株式総数の変更は、株主総会/特別決議でしなければなりません。

※一方の種類株主に不利益を及ぼす可能性があるからです。

b.分割比率を超える割合の増加をする場合

あくまで「株式分割の割合に応じて同じ比率で増加する」場合に限られ、分割比率を超えるのなら、この「株式分割の特則」は使えません。

なので、分割比率を超える割合での増加をする場合には、原則どおり、発行可能株式総数の変更は、株主総会/特別決議でしなければなりません。

05 申請書例

株式分割の登記申請書の例は次のようになります。

【登記の事由】
株式の分割
【登記すべき事項】
◯年◯月◯日変更  発行済株式総数 4000株

【登録免許税】
金3万円(ツ)

【添付書面】
株主総会議事録(取締役会設置会社→取締役会議事録) 1通
委任状  1通

以上、株式分割について、

01 株式分割とは?
02 株式分割をするための決議機関
 a.決議事項
 b.種類株式総会
03 株式分割の基準日公告
04 株式分割の特則-発行可能株式総数の変更
 a.会社が現に2種類以上の株式を発行している場合
 b.分割比率を超える割合の増加をする場合
05 申請書例
・・・についてでした。お疲れ様でした。
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