(根)抵当権消滅請求・代価弁済・極度額減額請求

抵当権消滅請求と根抵当権消滅請求の比較

テ-抵当権消滅請求

 
 

○○円支払いますので、抵当権を消滅させて下さい。

趣旨 全抵当権を消滅させ、「第三取得者」の所有権取得を確実にし、
抵当不動産の取引円滑・流通促進を図る制度
(根)との異動 全ての抵当権が消滅する
②支払額は「承諾した金額」

「抵当権消滅請求」で話に折り合いがつかなければ、
⇒「競売手続」に入る
          ▼(けっこう煩わしいこと)
 だからこそ、「抵当権消滅請求」ができるのは「第三取得者」のみに限定されている

ネ-根抵当権消滅請求

 
 

優先弁済を受けられるのは、極度額の範囲内だけですよね。

今現在、「元本確定後の被担保債権額」が極度額を
上回っているんですよ。
なので、「極度額」相当額を支払いますので、
根抵当権を消滅して下さい。

趣旨 根抵当権者は「極度額の範囲内」で優先弁済があるだけ。
なので、極度額分を払い渡すことによって、所有権者等の利益を図る制度
(抵)との異動 対象となっている「根抵当権」のみが消滅

テとネの請求権者

  抵当権消滅請求 根抵当権消滅請求
①物上保証人 不可
②第三取取得者(※)
 停止条件付の場合 不可 不可
③地上権者・永小作人 不可
④対抗力のある賃借人 不可
⑤債務者・保証人
 その他承継人
不 可
※そもそも債務者や保証人なんだから、(根)抵当権を消滅してくれ!とか言う前に、借金返せよって話
※「抵当不動産」の「共有持分を取得した者」は、抵当権消滅請求は不可
※「譲渡担保権者」は譲渡担保権の実行して確定的に所有権を所得するまでは、
 抵当権消滅請求することはできない

根抵当権消滅請求と極度額減額請求の比較

根抵当権消滅請求

《元本確定後》被担保債権の額 > 極度額

 
 

(設定者,第三取得者,地上権者,永小作権者,第三者に対抗できる賃借権者
から根抵当権者に対し、)

被担保債権の額が極度額を超えちゃってることですし、
債務者でも保証人でもない私としては、「極度額」相当額を支払いますので、
根抵当権を消滅してほしいんです。

極度額減額請求

《元本確定後》被担保債権の額 < 極度額 

 
 

コップの大きさ(極度額)は8,000万円ですが、
もうすでに被担保債権の額が7,800万円になってそこまで使ってないんだから、
コップの大きさを小さく(極度額の減額)してもらえませんか。

設定者からの極度額減額請求の図

  根抵当権消滅請求 極度額減額請求



設定者 設定者
所有権を取得した者
(第三取得者)
地上権者
永小作権者
第三者に対抗できる
賃借権者
行使
要件

「元本確定後」の「被担保債権の額」
が「極度額」を上回る場合

被担保債権の額 > 極度額

「元本確定後」の「被担保債権の額」
が「極度額」を下回る場合

被担保債権の額 < 極度額

抵当権消滅請求と代価弁済の比較

抵当権消滅請求

「第三取得者」が主体となって、
 『○○円支払いますので、抵当権を消滅させて下さい。』

代価弁済

「抵当権者」の請求に応じて、
抵当不動産の「所有権」or「地上権」を買い受けた者がその代価を弁済した時に抵当権が消滅する制度。

    『抵当権者である私に○○円支払えば、抵当権を消滅させてあげますよ。』

  抵当権消滅請求 代価弁済



「第三取得者」のみ抵当権消滅請求
できる。

主たる債務者
保証人
承継人

所有権or地上権
を買い受けた者

は代価弁済できる。

※物上保証人は
 代価弁済 不可



第三取得者が決めた額 代価
(本来は売主に支払う
 べき売買代金) 

抵当権は消滅する
(他の全ての抵当権も
 消滅する)

その
抵当権は消滅する
(他の抵当権は消滅
しない)

地上権の場合は、
抵当権は消滅しないが、
抵当権者に対抗できる
地上権となる(※)

この場合に、抵当権者は『地上権という負担付き不動産』に抵当権を持つことになる。
 そして、抵当権が実行され、競売により「新たな買受人」が現れても、地上権者は
 その「新たな買受人」にも対抗できる。