意思表示|心裡留保,通謀虚偽表示,第三者の保護要件,保護される第三者に該当するor該当しないをイラスト図解付きでわかりやすくまとめ

意思表示-第三者保護要件,保護される第三者に該当suru[orしない意思表示

 

今回の記事では、心裡留保・通謀虚偽表示・錯誤・詐欺・脅迫の「意思表示」の表意者について、

01 心裡留保と通謀虚偽表示
 a.心裡留保-イラスト図解付き
 b.通謀虚偽表示-イラスト図解付き
02 意思表示/第三者保護要件まとめ
03 『94条2項』の第三者
 a.94条2項の第三者に該当する例
 b.94条2項の第三者に該当しない例
04 『94条2項』の類推適用(権利外観法理)
 ・重要判例 肯定
 ・重要判例 否定
・・・についてをまとめています。

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01 心裡留保と通謀虚偽表示

まずは、心裡留保と通謀虚偽表示の表意者とは?について、イラスト図解であらわしてみました。

a.心裡留保-イラスト図解付き

心裡留保とは、意思表示の表意者が「ウソをつく」ことです。
イラスト図解であらわすとこんな感じです。

心裡留保-原則:有効、相手方が悪意or有過失なら無効、第三者は善意であれば、保護される
原則:表意者が、心裡留保つまりウソをついても、言った限りは、そのウソは有効となります。
例外:ただし、相手方がそのウソに対して「ウソだと知っていた」or「有過失で知らなかった」場合には、無効となります。
ただし、意思表示の無効は善意の第三者には、対抗できません。
第三者は、「善意」のみで保護されます。
→無過失までは要求されません。
心裡留保の当事者は、帰責性が大きいので、第三者は善意であれば、有過失でも保護されるということです。

b.通謀虚偽表示-イラスト図解付き

通謀虚偽表示とは、意思表示の表意者が、示し合わせて(通謀し)、虚偽の意思表示をすることです。
イラスト図解であらわすとこんな感じです。

通謀虚偽表示の図
【事例】
Aは、借金の返済が滞ってしまい、このままでは担保に入れてる不動産を競売にかけられ、不動産を取られてしまうので、Bと示し合わせて、いったんB名義に所有権を移転させたように、見せかける虚偽の表示をしました。

このような通謀虚偽表示は、原則的に無効です。

ただし、この無効は善意の第三者には、対抗できません。
第三者は、「善意」のみで保護されます。
→無過失までは要求されません。
通謀虚偽表示の当事者は、帰責性が大きいので、第三者は善意であれば、有過失でも保護されるということです。

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02 意思表示/第三者保護要件まとめ

心裡留保,通謀虚偽表示,錯誤,詐欺,強迫についての「第三者の保護される要件」のまとめ表は次のようになります。

心裡留保通謀虚偽表示錯 誤詐 欺強 迫
善意善意善意・無過失善意・無過失な し
表意者の帰責性が大きいので、第三者保護要件は、善意で足りることになります。表意者の帰責性が小さいので、第三者保護要件は、善意・無過失まで要求される。 

03 『94条2項』の第三者

【94条2項の第三者とは?】

虚偽表示の「当事者及び包括承継人」以外の者で、虚偽表示に基づいて 新たな独立の法律上の利害関係を有するに至った者のことです。

a.94条2項の第三者に該当する例

94条2項の第三者に該当する例です。

不動産の仮装譲渡人から「譲り受けた者・転得者」
仮装譲渡された不動産に「抵当権の設定を受けた者」
仮装債権の譲受人
虚偽表示の物を、「差し押さえた者」
虚偽表示で抵当権設定契約がなされ、その抵当権につき「転抵当の設定を受けた者」

b.94条2項の第三者に該当しない例

94条2項の第三者に該当しない例です。

仮装譲渡された債権の譲受人から、取立てのために債権を譲り受けた者
仮装譲受人に対する「一般債権者」
一般債権者は「全財産」に利害関係を有するが、この「特定財産」には利害関係が薄いため
仮装譲渡された債権の「債務者」
債務者は元から債務者だったわけで、新たな利害関係を有したわけではないため
先順位抵当権者が仮装放棄した場合の「後順位抵当権者」
後順位抵当権者は元から後順位抵当権者だったわけで、新たな利害関係を有したわけではないため
仮装譲渡された土地の上に建築された「建物の借家人」
借家人は、土地に関しては法律上の利害関係を有するに至っていないので
代理人が虚偽表示した場合の「本人」
元々本人の代理人だったわけで、本人は新たに利害関係を有したわけではないので

04 『94条2項』の類推適用(権利外観法理)

【権利外観法理とは?】

通謀虚偽表示そのものでなくとも、
①虚偽の外観が存在し、
②「虚偽の外観の作出」につき「権利者に帰責性」がある場合
③虚偽の外観を第三者が信頼している場合
・・・上記のことに当てはまると、94条2項を類推適用し、善意の第三者が保護されます。
※つまり、登記をしてなくとも、善意の第三者は対抗できるということです。
 
※これでは、わかりにくいと思いますので、次の段落から更にイラスト図解付きでくわしく解説しています。

a.『94条2項』の類推適用で肯定された重要判例

『94条2項』の類推適用で「権利外観法理」が認められ、第三者が保護された重要判例を挙げています。

通謀虚偽表示の類推適用-売買予約仮登記の本登記

【最判昭43.10.17】

1⃣AとBは、通謀してA所有の甲土地を、Bが売買予約したかのように仮装して、Bが仮登記権利者となる「所有権移転請求権保全仮登記(2号仮登記)」を登記しました。
不動産の「売買予約」をAとBが通謀して仮装し「所有権移転請求権保全仮登記」をした。
2⃣Bは、自分名義の仮登記が入っていることをいいことに、勝手に、B名義の仮登記の本登記を入れてしまいました。
通謀虚偽表示-02自分名義の仮登記が入っていることをいいことに、勝手に、B名義の仮登記の本登記を入れた

この場合、甲土地の真の所有権者Aは、「本登記の無効」は、『善意・無過失の第三者』には、対抗できません。
逆にいえば、
本来、通謀虚偽表示では、表意者自身の帰責性が大きいので、第三者は「善意」で足りるはずです。

ところが、この場合では『権利者 A に虚偽の外観の作出に帰責性がある』ということで、『類推適用』じたいは、されるわけですが、でも、第三者に関しても、善意だけではなく、無過失まで要求されることになりました。

通謀虚偽表示の類推適用-実印を押印することを漠然と見ていた?!

【最判平18.2.23】

1⃣甲不動産の所有権者Aは、不動産賃貸事務の代理を任せていたBに、登記済証を預けていました。
通謀虚偽表示の権利外観法理の判例-1.登記済証を預けていた
2⃣Aは、Bに言われるままに印鑑証明書を交付し、その上、Bが目の前で実印を押印することを漠然と見ていました。
通謀虚偽表示の権利外観法理の判例-2.実印も印鑑証明書も預けていた。
通謀虚偽表示の権利外観法理の判例-2.更に、実印を押印するのを漠然と見ていた
3⃣そして代理人Bは、勝手に、その不動産を自己に所有権移転登記をしました。
通謀虚偽表示の権利外観法理の判例-3.Bは勝手に事項への所有権移転登記を入れたしまった
4⃣さらにBは、善意無過失のCに譲渡し、所有権移転登記をしてしまいました。
真の所有権者Aは、Cに対し、自己の所有権を主張しましたが・・・
通謀虚偽表示の権利外観法理の判例-4.Bは更に、善意無過失のCに不動産を譲渡し、所有権移転登記を入れてしまいました。 真の所有権者Aは自己の所有権を主張しましたが・・・認められない
この場合、甲土地の真の所有権者Aは、「本登記の無効」は、『善意・無過失の第三者』には、対抗できません。
逆にいえば、
本来、通謀虚偽表示では、表意者自身の帰責性が大きいので、第三者は「善意」で足りるはずです。

ところが、この場合では『権利者 A に虚偽の外観の作出に帰責性がある』ということで、『類推適用』じたいは、されるわけですが、でも、第三者に関しても、善意だけではなく、無過失まで要求されることになりました。

b.『94条2項』の類推適用で否定された重要判例

次は、逆に、『94条2項』の類推適用で「権利外観法理」が認めらず、第三者は保護されなかった重要判例を挙げています。

【最判平15.6.13】

1⃣甲不動産の所有権者Aが交付した「登記済証」「白紙委任状」「印鑑証明書」等をBが利用し、勝手に不実の所有権移転登記を入れてしまいました。
しかし、Aには虚偽の権利の帰属を示すような外観を作出する意図は全くなく、虚偽の外観の作出について、何ら積極的な関与をしていませんでした。

また、不実登記を放置していたとみることもできないと判断されました。

この判例の場合には、第三者は保護されませんでした。

『94条2項,110条の法意に照らしても、所有権の移転を主張し得ない』と判断され、本人の帰責性が認められませんでした。

以上、「意思表示」についての、
・心裡留保と通謀虚偽表示のイラスト図解
・94条2項の第三者の保護要件
・保護される第三者に該当するor該当しない
・重要判例-類推適用(権利外観法理)のイラスト図解付き解説
・・・についてでした。お疲れ様でした。

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