【2023年1月更新】監査役・監査等委員・監査委員の比較

監査役・監査等委員・監査委員

今回の記事は、

01 監査役会設置会社
 a.監査役会設置会社の機関についてのポイント
 b.監査役会設置会社の全体のイメージ図
02 指名委員会等設置会社
 a.指名委員会等設置会社の機関についてのポイント
 b.指名委員会等設置会社の全体のイメージ図
 c.指名委員会等設置会社の任期
 d.指名委員会等設置が非公開会社から公開会社へ移行した場合
 e.指名委員会等設置会社での「役員選任付種類株式」は不可!
03 監査等委員会設置会社
 a.監査等委員会設置会社の機関についてのポイント
 b.監査等委員会設置会社の全体のイメージ図
 c.監査等委員会設置会社の任期
 d.監査等委員会設置会社が非公開会社から公開会社へ移行した場合
監査役・監査等委員・監査委員の比較表
比較表/スクショ用の画像
・・・という内容となっています。

01 監査役会設置会社

監査役会設置会社についての、

a.監査役会設置会社の機関についてのポイント
b.監査役会設置会社の全体のイメージ図
についてまとめています。

a.監査役会設置会社の機関についてのポイント

監査役会設置会社の機関についてのポイントは次のとおりです。

・取締役会と監査役会は、別個の機関
 →監査役会に、取締役の議決権はナイ!
・監査役会の半数以上は社外監査役でなければならない
・監査役会は3名以上でなければならない
・取締役会と監査役会は、代表取締役・業務取締役を監査する

b.監査役会設置会社の全体のイメージ図

監査役会設置会社の全体のイメージ図としては、次のようになります。

02 指名委員会等設置会社

指名委員会等設置会社についての、

a.指名委員会等設置会社の機関についてのポイント
b.指名委員会等設置会社の全体のイメージ図
c.指名委員会等設置会社の任期
d.指名委員会等設置が非公開会社から公開会社へ移行した場合
e.指名委員会等設置会社での「役員選任付種類株式」は不可!
についてまとめています。

a.指名委員会等設置会社の機関についてのポイント

指名委員会等設置会社の機関についてのポイントは、次のとおりです。
①「取締役会」は『会議体』だから「3名以上」
②「取締役会」のメンバーは「社外取締役」もOK
③各委員会の構成員は「3名以上」,過半数は「社外取締役」
④「監査委員会」を組織する「監査委員」は「業務執行取締役」「執行役」を兼ねることはできない
⑤1人の取締役が同時に複数の委員会に属することはOK
 ※最低3名の取締役の内、2名が社外取締役だったなら、3名のみで3つの委員会を構成できる
⑥「取締役」と「執行役」は兼ねることができる
 「執行役」は前提資格は取締役であることは要求されていない。
⑦指名委員会等設置会社の「取締役」は、「業務執行取締役」とはされていない

b.指名委員会等設置会社の全体のイメージ図

指名委員会等設置会社の全体のイメージ図としては、次のようになります。

c.指名委員会等設置会社の任期

取締役の任期 1年
委員の地位 各委員は取締役会で選定されるので、前提資格として取締役であることを要求される。
⇒前提資格である取締役が任期満了すれば委員としての地位もなくなる
会計監査人 1年
(定時総会で決議されなければ自動再任)
・前提資格「取締役」が任期満了すれば→「委員」としての地位も終了します。
・ただし、「委員」としての地位のみを辞任した場合→「取締役」に留まることはできます。
・「執行役」を辞任した場合→「取締役」に留まることができます。

d.指名委員会等設置が非公開会社から公開会社へ移行した場合

通常、非公開会社から公開会社へ移行した場合には、役員は任期満了しますが、指名委員会等設置会社では、役員は任期満了しません。

理由としては、取締役の任期が「1年」となっているので、「非公開会社」のような、「10年の任期延長」という概念がありません。
つまり、そもそも任期は延長されていないので、役員は任期満了する必要がないわけです。

指名委員会等設置会社は、たとえ、非公開会社から公開会社となった場合でも、
役員任期満了しない。

e.指名委員会等設置会社での「役員選任付種類株式」は不可!

【役員選任付種類株式とは?】

例:『A種類株主は、種類株主総会において、定款所定の全ての取締役を選任することができる。』
⇒というように、種類株主総会でダイレクトに役員を選任できる株式のことです。
【役員選任付種類株式の特徴】

・非公開会社のみ発行できる

・公開会社と指名委員会設置会社では発行できない
  ※たとえ非公開会社でも「指名委員会等設置会社」は、発行できない

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03 監査等委員会設置会社

監査等委員会設置会社についての、

a.監査等委員会設置会社の機関についてのポイント
b.監査等委員会設置会社の全体のイメージ図
c.監査等委員会設置会社の任期
d.監査等委員会設置会社が非公開会社から公開会社へ移行した場合
についてまとめています。

a.監査等委員会設置会社の機関についてのポイント

監査等委員会設置会社の機関についてのポイントは、次のとおりです。
①「監査等委員である取締役」の選任
 →「監査等委員以外の取締役」と区別して、株主総会/普通決議で選任する
②「監査等委員である取締役」の解任
 →株主総会・種類株主総会の特別決議
③「監査等委員」が「取締役」を監査・監督する
④採用する場合は、「定款に定め」が必要

⑤従前の「取締役」「会計参与」は、定款変更の効力が生じた時点で任期満了退任となる
 新たに最低4名の取締役を選任しなければならない
⑥定款変更の効力発生時点で、後任者が選任されていない場合
 既存の取締役、会計参与は「権利義務」となる
「監査等委員」としての地位と「取締役」の地位は不可分
 「監査等委員」としての地位のみを辞任し、「取締役」の地位に留まることはできない

b.監査等委員会設置会社の全体のイメージ図

指名委員会等設置会社の全体のイメージ図としては、次のようになります。

c.監査等委員会設置会社の任期

取締役の任期 監査等委員でない取締役:1年
監査等委員である取締役:2年
委員の地位 各委員は取締役会で選定されるので、前提資格として取締役であることを要求される。
⇒前提資格である取締役が任期満了すれば委員としての地位もなくなる
会計監査人 1年
(定時総会で決議されなければ自動再任)

d.監査等委員会設置会社が非公開会社から公開会社へ移行した場合

通常、非公開会社から公開会社へ移行した場合には、役員は任期満了しますが、監査等委員会設置会社では、役員は任期満了しません。

理由としては、「監査等委員でない取締役」の任期が「1年」、「監査等委員である取締役」の任期が「2年」となっているので、そもそも任期は延長されないので、役員は任期満了する必要がないわけです。

監査等委員会設置会社は、たとえ、非公開会社から公開会社となった場合でも、
役員任期満了しない。

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監査役・監査等委員・監査委員の比較表

・監査役(監査役会設置会社)
・監査等委員(監査等委員会設置会社)
・監査委員(指名委員会等設置会社)
・・・についてを比較したまとめ表は次のとおりです。
 
    監査役 監査等委員 監査委員





選任・解任 株主総会 株主総会 取締役会
前提資格 ナシ 取締役 ※1 取締役
任期 4年 2年 1年
権利義務制度 あり あり あり


招集権者 各監査役 各監査等委員 各監査委員
招集通知 1週間前まで
決議要件 過半数 過半数出席+出席者過半数
員数 監査役の半数以上
が社外監査役
監査等委員・監査委員の過半数
が社外取締役
常勤者の選定 必要 不要
取締役と会社との訴訟
を代表する者
監査役 監査等委員会or監査委員会
が選定する
「監査等委員」or「監査委員」 ※2
 
※1 
「監査等委員会設置会社」において「取締役の選任」は、『監査等委員である取締役』と『それ以外の取締役』とを区別して選任しなければならない。

※2
「監査等委員」「監査委員」が訴訟の当事者の場合、『取締役会が定めた者』or『株主総会が定めた者』が会社を代表する。

 

比較表/スクショ用画像

上記の比較表を、スクショ用の画像にしました。
スキマ時間での暗記ツールとして、活用してください。

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