【平成30年改正】相続>遺産分割>預貯金債権

遺産分割前の相続財産




各相続人に当然に分割される(遺産分割の対象とならない

遺産分割前でも、債務者に対し「自己の相続分に相当する金銭」の支払いを求めることができる。

ex:遺産である不動産を売却した場合の代金債権は、
  遺産分割前でも持ち分に応じて個々に請求可能


当然には分割されず共有に属する(遺産分割の対象となる

遺産分割前には、その金銭を保管する相続人に対して、「自己の相続分に相当する金銭をよこせ」は言えない。





【平成30年改正】
→預貯金は現金との差を意識させない財産だから

当然には分割されず共有に属する(遺産分割の対象となる

相続人全員の遺産分割の対象なので、遺産分割前には、他の共同相続人全員とともにするのでなければ、預貯金の払戻しは不可

【重要 平成30年改正】
家裁の判断を経ることなく、預貯金の払戻しができる特則

 

家事事件手続法の保全処分(仮処分)

【平成30年改正】

家庭裁判所は、
 ・遺産分割の審判
 ・調停の申立て
があった場合には、相続人が行使する必要があると認めるときは、
 ex:・相続財産に対する債務の弁済
   ・相続人の生活費の支弁
相続人の申立てにより、他の共同相続人の利益を害しない限り、
遺産に属する「特定の預貯金の全部or一部」を申立人に仮に取得させることができる。

家庭裁判所の判断を経ることなく可能な預貯金の払戻し

【平成30年改正】

遺産である預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の「3分の1」に法定相続分を乗じた額については、
他の相続人の同意が無くても単独で払い戻しを請求できる。

ex:
  ・被相続人の妻・・・法定相続分1/2
  ・預貯金債権・・・・金900万円
  金900万円×1/3×1/2=150万円

  金150万円は、単独で払戻しが可能となった。

「預貯金債権」は債権の個数ごとに捉えるため、
同一の金融機関に「定期預金」と「普通預金」があれば、各預金債権につき、それぞれその額の「3分の1」に法定相続分を乗じた額の払戻しを請求できる。
同一の金融機関に対する権利行使は、金融機関(債務者)ごとに
「150万円」を限度とする。
権利行使がされた預貯金債権については、「預貯金の払戻しを受けた相続人」がこれを「遺産の一部分割」により取得したものとみなされる。

909条の2(遺産分割前における預貯金債権の行使)は、
906条の2(遺産分割前に遺産に属する預貯金債権が処分された場合)
に対し、遺産に属する財産のうち「預貯金債権に関する特則」となる。

※つまり、909条の2(遺産分割前における預貯金債権の行使)が適用されたなら、906条の2は適用されない。

 

【上記②と③についてのまとめ】
『同一の金融機関内』
・A銀行に「定期預金」と「普通預金」があったとする
・「定期預金」の「3分の1」に法定相続分を乗じた額の払戻しを請求でき、
 「普通預金」の「3分の1」に法定相続分を乗じた額の払戻しを請求できる。
・ただし、A銀行だけでは、上限は「150万円」までしか払戻しできない。

『複数の金融機関に預貯金債権があるケース』
・A銀行に対し、
 「預貯金債権」の「3分の1」に法定相続分を乗じた額の払戻しを請求でき、
 上限は「150万円」まで
・B銀行に対し、
 「預貯金債権」の「3分の1」に法定相続分を乗じた額の払戻しを請求でき、
 上限は「150万円」まで

というように、複数の金融機関に対する払戻しなら、例えば、
A銀行から150万円の払戻しを受け、
B銀行から150万円の払戻しを受け、
合計300万円の払戻しを受けることができることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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