不動産登記法/順位変更

順位変更/順位変更の要件,順位変更できる権利,申請人,利害関係人,申請情報例,順位譲渡・放棄との違い 順位変更

この記事の内容に沿ったyoutube動画を作成しました。是非ご覧ください。

今回の記事は、順位変更についてです。

【 順位変更とは?】

すでに登記されている複数の担保権(抵当権や根抵当権など)の優先順位を、当事者の合意によって入れ替える手続のことをいいます。

登記簿上の担保権の順番を、関係者全員の合意で公式に入れ替える手続です。

1.順位変更の要件
2.順位変更をできる権利(例:抵当権)
3.申請人
4.利害関係人
5.申請情報例
6.順位譲渡・放棄との違い

このような内容の記事です。

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01 順位変更の要件

順位変更の要件は、次の3つです。

・担保権者の合意
・利害関係人の承諾
・登 記

担保権者の合意

順位変更をするには、担保権者全員の合意が必要です。

例:
甲土地の乙区には第1順位の抵当権者・第2順位の抵当権者・第3順位の抵当権者が入っています。
その全員の合意が必要です。

利害関係人の承諾

順位変更するには、利害関係人の承諾が必要です。

例:
①甲土地の乙区には、第1順位の抵当権者Aと第2順位の抵当権者Bが入っています。
 さらに、第1順位の抵当権は、一般債権者Dに対し、抵当権のみの譲渡をしています。
②第1順位抵当権者Aと第2順位抵当権者Bは、順位変更の合意をしました。
                 ▼
抵当権のみの譲渡を受けた一般債権者Dにとっては、順位が下がって、不利益です。
                 ▼
一般債権者Dは、利害関係人に当たりますので、Dの承諾が必要となります。

順位変更するには、利害関係人の承諾が必要

登 記

順位変更は、登記しなければ効力が発生しません。
つまり、「登記」は、効力発生要件です。

例:
①甲土地の乙区には、第1順位の抵当権者Aと第2順位の抵当権者Bが入っています。
②そして、AとBの間で「順位変更」の合意がなされました。
           ▼
主登記で「登記」します。「登記」は効力発生要件です。

02 順位変更できる権利

「順位変更をなし得る権利」とは、基本的には『担保権』です。
逆に、「順位変更ができない権利」があります。

順位変更できる権利

順位変更できる権利としては、次の5つです。

①(根)抵当権  ②不動産質権  ③先取特権  ④仮登記された担保権  ⑤転抵当権

順位変更ができない権利

順位変更することができない権利としては、次の2種類あります。
 a.用益権   b.担保仮登記・譲渡担保

a.用益権・・・他人の不動産を(特定の目的のために)使う権利
   例:地上権,地役権,賃借権,永小作権

「使う(使用)」と「利益を得る(収益)」の部分だけを切り取った権利なので、そもそも「担保権」ではありません。

地上権の図
地役権の図
賃借権の図
永小作権の図

b.担保仮登記・譲渡担保・・・債権額が公示されていない担保権

債権額が公示されていないので、” 順位変更できる「担保権」” とは認められません。

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03 申請人

「順位変更」は、『合同申請』です。なので、「権利者」や「義務者」という概念じたい、ありません。
例えば、下記の図のような場合には、A・B・Cの全員が申請人となります。

順位変更の申請人となるケース-担保権者全員の順位が入れ替わっているケース

04 利害関係人

原則として、
「順位変更の申請人」に『依拠する担保権者』は、利害関係人となります。

例:
①転抵当者
②被担保債権の差押え債権者
③被担保債権の質権者
④抵当権のみの譲渡・放棄を受けた者
⑤抵当権の順位譲渡・順位放棄を受けた者
⑥順位変更の対象となっている抵当権 に『順位譲渡・順位放棄を行っている “先順位抵当権者“ 』で、合意当事者とならない者

例外:
形式的にも、実質的にも「順位が上がることになる申請人」に『依拠する者』は、利害関係人ではありません。

原則的な利害関係人 例

原則として、
「順位変更の申請人」に『依拠する担保権者』は利害関係人となりますが、その中で上記④の『順位譲渡を受けた者』についてを例に解説します。

①乙区1番に、Aの抵当権が入っています。
 そして、一般債権者Dが、付記で抵当権のみの譲渡を受けています。
②乙区2番に、Bの抵当権が入っています。

③1番抵当権者Aと2番抵当権者Bが順位変更により、
第1順位:抵当権者B
第2順位:抵当権者A
・・・となりました。
       ▼
1番抵当権者Aより『抵当権のみの譲渡を受けたD』は、順位が下がってしまい、不利益を被ります。
なので、『抵当権のみの譲渡を受けたD』は利害関係人となります。

1番抵当権者から抵当権のみの譲渡を受けていたDは、順位が下がって、利害関係人となる。

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原則として、
「順位変更の申請人」に『依拠する担保権者』は利害関係人となりますが、その中で上記⑥の
⑥順位変更の対象となっている抵当権 に『順位譲渡を行っている “先順位抵当権者“ 』で、合意当事者とならない者
・・・についてを例に解説します。

①乙区1番に、Aの抵当権が入っています。
 1番抵当権者Aは、2番抵当権者Bに対し、順位譲渡をしています。 
②乙区2番に、Bの抵当権が入っています。
③乙区3番に、Cの抵当権が入っています。

④その後、順位変更により、
2番抵当権者Bは、第3順位へ
3番抵当権者Cは、第2順位へ
1番抵当権者Aは、第1順位のままでした。

⑤この場合に、
順位変更の対象となっている抵当権者:2番抵当権者B・3番抵当権者C
順位譲渡を行っている”先順位抵当権者”:1番抵当権者A
・・・に当たります。

順位変更の対象となる担保権者

⑥1番抵当権者Aからすれば、Bの順位が下がってしまうことによって、Aの配当金額が下がってしまうかもしれません。
つまり、Aにとっては、不利益を被る可能性が出てきます。
          ▼
抵当権者Aは利害関係人となります。

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例外:利害関係人とはならない例

例外として、
形式的にも、実質的にも「順位が上がることになる申請人」に『依拠する者』は、利害関係人ではありません。
その一例について、解説します。

①乙区1番に、Aの抵当権が入っています。
②乙区2番に、Bの抵当権が入っています。
③乙区3番に、Cの抵当権が入っていて、
 そこへ、Eの転抵当が付記で入っています。

④順位変更により、
1番抵当権が、第2順位となり、
2番抵当権が、第3順位となり、
3番抵当権が、第1順位となり、付記されたEの転抵当も順位が上がりました。

3番抵当権者に付記されていた転抵当が、順位変更により、順位が上がったケース

この場合に、転抵当権者Eは、利害関係人とはなりません。

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05 申請情報 例

順位変更の申請情報の例は次のとおりです。

登記の目的:1番2番3番順位変更

登記原因:合意
(※同一人間での順位変更の場合は、『 年 月 日 変更』となります。)

原因日付:利害関係人の承諾を得られたときは、「承諾の日」が原因日付となります。

変更後の順位 例:第1順位 3番抵当権
         第2順位 1番抵当権
         第3順位 2番抵当権

以上、「順位変更」についてでした。
お疲れ様でした。

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